建築に対する想い

素材と技術の”地産地消”で、ここにしか無い動物医療の場所づくりを目指しました

「cocoro animal clinic」の建築の設計にあたり、院長の池田先生ご夫妻からは、動物の心のケアにまで踏み込んだ新しい動物医療を実践するための場をつくりたいとのご要望を頂き取り組みました。
ご夫妻の森羅万象に通じるようなエコロジカルな思想に沿う建築を実現するため、「出来るだけ近くの素材」と「できるだけ身近な技術」で成立させようと考えました。食品の「地産地消」に近い考え方です。
「できるだけ近くの素材」としては、建設地である佐伯市の「佐伯産飫肥(オビ) 杉」を採用しました。この地域で豊富に手に入り、自由に加工ができる材料です。構造体、内装、外装のほぼ全てをこの材料で設計したので、建物のどこにいても木の質感や温もりに包まれる建築となっています。
「できるだけ身近な技術」については、昔ながらの大工技術を頼りました。大分では大工技術が未だ健在で質が高く、現代的なデザインを実現するための複雑な加工の要望にも応えてくれました。
そのような作り方を通じて、現代的な感覚を備えながらも、昔からこの地域にある建築と同じように社会や自然環境と繋がりのある建築を目指しました。
池田先生の新しい動物医療によって、この建築が末永く動物と人との幸せな関係が育まれる場所となってゆくことを願っております。

DABURA.m株式会社　代表取締役　光浦高史