可愛い動物たちのために
知っておいてほしいこと
私たちは「予防医療」という考え方を大切にしています。「予防医療」とは、病気にかかった動物達を治療する対症療法とともに、日々の暮らしの中で「心」「体」「環境」のバランスを取り、動物達にストレスを感じさせない環境を作ることです。
私達は、大切な動物たちに健康で長生きしてほしいからこそ、飼い主の皆さんに知ってほしいと願っています。
心と体と環境のバランス
健康とは、体の健康だけにとどまるものではありません。「心、体、環境」を1つのつながりとして捉え、この3つを常に健全な状態に保ち、ストレスのない生活環境をつくる事や飼い主の皆さんと動物達の信頼関係を築く事で動物達の精神状態を安定させることが大切です。
免疫力の向上
年齢がすすむにつれ動物たちも免疫力が衰えていきます。その原因の1つが「酸化ストレス」です。酸化ストレスは様々な病気を引き起こす原因にもなります。 病気を未然に防ぐために「酸化ストレス」を軽減し、老化を遅らせることが大切です。
予防医療から考える
治療アプローチ
化学薬品は即効性があり、1つの有効成分で症状に対して強い効果を発揮します。
一方で、漢方薬は複数の病気や症状に対する治療に有効で、慢性的な病気や全身的な病気の治療などに効果を発揮します。
また、食生活を見直し、身体に良い食事を摂る栄養(食事)療法により、自然治癒力の向上や、体質改善が出来ます。
動物達の社会性
「動物の社会性」とは人間でいう「コミュニケーション能力」のことで、動物達も良好な精神状態を保ちながら、他者とのコミュニケーションを取り、いろいろな状況に対応する力を身に付ける事が、人間と同様にとても大切です。このような社会への適応能力は、他の動物達とのふれあいや遊びなど、いろいろな体験を通して自然に身に付いていきます。
こうした社会性の向上は、飼い主と動物との良好な信頼関係を築いていくうえでも大切です。
予防接種について
定期的な予防接種は、動物達の免疫力を向上させ、病気や感染症による症状を緩和するだけではなく、感染源となって、飼い主の皆さんをはじめ人間社会や他の動物達に感染症を流行させる事をあらかじめ食い止める重要な目的があります。
仮に発症してしまっても症状が重くなったり亡くなってしまうことを防ぐために大変有効です。動物達にいつまでも元気でいてもらうためにとても重要な手段です。
避妊・去勢手術の必要性
動物の身体はホルモンにより行動をコントロールしています。動物達を飼う時は、避妊・去勢手術が必要となります。生殖行動が起こる前に去勢・避妊手術をすることで、男の子、女の子ともに発情期のストレスが軽減され、生殖器系の病気(子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、会陰ヘルニア、精巣腫瘍など)も予防できるという大きなメリットがあります。
また不幸にして動物達に望まれない赤ちゃんが生まれてしまうと、飼い主の皆さんに精神的、身体的、経済的に負担がかかってしまいます。
そのことが原因で捨てられた動物達は可愛がられる事もなく、その多くが殺処分の対象となっているのが現実です。
去勢・避妊手術によって、動物達の不幸を防ぐことが出来ます。飼い主の皆さんが責任を持って手術を受けさせる事が大切です。